分散における原料間相性
シナジストを使用した分散体を検討する場合に、他の原料との相性によって効果に違いが出ます。
今回は、相性の良い原料を選定するヒントになればと考えています。
分散体を検討する場合、主に4つの原料を用いています。(一部例外あり)
・分散対象物 (色素、フィラー)
・バインダー (モノマー、ポリマー)
・分散材料 (シナジスト、樹脂型分散剤)
・溶媒 (水、溶剤)
上記の4つの原料間相性が良いことで、分散安定性等が高まります。
しかし実際には、複数の分散対象物、バインダー、溶媒を共に分散する場合や、
シナジストと樹脂型分散剤の両方を用いる場合を想定すると、多くの原料間相性を詰めていくことで、
分散組成や分散工程が設計されます。
原料間相性を効率的に詰めていく要素として、例えば下記のようなものがあります。
・分散対象物、分散材料の酸性度、塩基性度
・バインダー、分散材料(樹脂型分散剤)の分子量分布、酸価
・バインダー、分散材料(樹脂型分散剤)の構成構造
・全原料の溶解度パラメータ
これらを参考に、原料間相性を効率的に詰めていくことが出来れば、開発スピード向上につながるかもしれません。
以上。